-- ニワバス氏 寄稿 --
ウエンゲ・メゾン・メールを脱退したエメリア、9年ぶりのセカンド・アルバムは、なんと、元アフリザのギタリスト、ディノ・ヴァングのプロデュース。ルンバあり、サルサあり、もちろんセベン入りの曲もありで、全12曲。

エメリアの声が少し枯れた味を出し始め、所々、サム・マングワナを髣髴とさせる場面も。

参加ミュージシャンは、上記ディノ・ヴァングを始め、ブレイズ・ブラ、ルシアナ、ジュジュシェ、オリヴィエ・チマンガ等、パリ勢が中心ですが、②④では、キンの、エメリアのグループが初お目見え。

ラストの曲、「Matshiozi (Africa)」は、ラップ入りで、ファリー・イプパのニュー・アルバムでも聞けた（ディスク1－⑦）ワールド・ミュージック風のモダンなアレンジに乗って、アフリカの団結を歌っています。

※ジャケットの表記と、実際の曲順が違います。

　実際は、②Race Des Vainqueurs③Mozangi④Kalkatos (Mfumu Leon)です。
ＤＶＤには、5曲のクリップを収録。ボーナス映像ではDINO VANGUが出演しています。

   -- ニワバス氏 寄稿 --
バントゥナニ、約1年半振りのセカンドアルバムは、昨2009年の初めから1年強をかけて、じっくりと製作されました。今回は、打ち込みの1曲を除くすべての曲で、私とドラマーのジョニーがリズム・アレンジを手掛け、リズム隊はかなり骨太なものに仕上がりました。
スタイルは、前作から更にバラエティに富んだものになり、ロックあり、サルサあり、フラメンコあり。もちろん、いずれもバントゥナニ風の味付けで調理されています。そして今回は、本格的な “リンガラ” も１曲。これは、既存のリンガラ・シーンへのバントゥナニからの回答か？
進化し続けるNu-Rumba（ニュー・ルンバ）をお楽しみください。

1998年に出たスーパー・セッション・アルバム。フィーチャーされたのは、レンギ・レンガとリキンガの元ザイコ・ランガ・ランガ勢に、元グラン・ザイコ・ワワのジョー・ポステール、そしてショック・スタールのボス、ベン・ニアマンボ。
ジョー・ポステールとリキンガが交互にリードを取る③、そして在りし日のザイコを髣髴とさせるコーラスに続いてリキンガのソロ・ヴォーカルが入ってくる④など、ザイコ～グラン・ザイコフリークには涙ものの出来。
サルサ、ムトゥアシ、ザイコ・スタイルのルンバ等と曲調もバラエティに富み、完成度の高い1枚です。特に、ズークで始まっていたのが、ブレイクを境にノリノリのサカデとなり、そのままセベンへと突入する⑧のアレンジは秀逸。
サウンド・プロデュースは、ベテラン、スージー・カセヤ。打ち込みは、当時キンシャサに帰っていたジュジュシェが担当しています。

チョニー・マンは、パリ在住のナイジェリア人。
彼がやっているのは、ハイライフでもアフロビートでもレゲエでもなく、なんとリンガラをベースにしたダンス音楽。ちょっとアクの強い彼の声をサポートするのは、ベテラン・ギタリストのカエン・マドカと、エーメ・ブアンガのグループ、ウエンゲ・クンベラのアコンパ、アレン・マルコム、加えて、バントゥナニのリズム隊（ベースはもちろん我等がニワコーシ氏）。リンガラの手練れ達が、ナイジェリアからの刺客と対決、といった異種格闘技戦的な感覚で、結構楽しめますよ。

ヌーヴェル・エクリチュール～ヴィヴァ・タンダンスと、2000年以降、ヴィヴァ王道を渡り歩いてきたクリスチャン・レマのファースト・ソロ・アルバムです。バックを固めるのは、アレクシー・アズリーノ、チェリー・モグラタナら、パリ在住のヴィヴァ系ミュージシャンで、音の方も正にヴィヴァ直系。御大パパ・ウエンバももちろん参加していますが、歌手陣の中では、ちょっとナヨっとした感じのクリスチャン・レマの声を所々でうまくフォローしている、テノール（高音）のピムスが素晴らしい。彼は、有名オケからやってきた連中が多かったヴィヴァ・タンダンスにおいては、当初、無名の存在でしたが、その美声で、一気に頭角を現しました。
その他のゲストでは、ローラ・ムアナ、セルジュ・マビアラ、ディディ・ロクア（ロクア・カンザの弟。⑧で素晴らしいヴォーカルを披露しています）の存在感が光っています。
DVDには、8曲のクリップを収録。上記のピムスも随所に登場します。
（ピムスは2008年の大傑作アルバム"Les Chics Men" にも参加しています。こちらもお見逃し無く！ -BAOBAB-）